食味はいまさら言うまでも無く万民に好まれる上品な味で、川の苔を食べているためか「スイカの香り」がすると良く言われます。
塩焼きや甘露煮で食べられるのは他の渓流魚と同じです。
更に他の渓流魚と異なる点がもうひとつあります。
それは、この鮎はヤマメやイワナと違い海で育つ魚という点です。しかしながら海での生活はせいぜい数ヶ月から半年の稚魚の
間だけであるためヤマメが海に下って(降海して)50cmとか60cmの大型魚になるのと違いせいぜい5-6cmにしかなりません。
秋に産卵されて孵化した稚魚は冬の間に海に下り数ヵ月後の5月頃には川に上ってくるためです。
それ以外にも大きな湖(琵琶湖が有名)とかダム湖でも海の代わりにして稚魚が育ち、春に河川に遡上してくるものがいます。
現在日本各地で行われている夏場の鮎漁の稚魚はその大半が琵琶湖産といわれています。 海で育った鮎が川に遡上してくる
のは非常に限られています。 四国の四万十川などはその代表例ですが、以前は岐阜県の長良川でもそのような鮎がたくさん
いましたが、河口堰が作られてからそれができなくなってしまいました。
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